子どもたちの成長や地域のつながりに欠かせない存在として注目を集める「こども食堂」。このたび、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが、全国1万人以上のこども食堂参加者を対象にした大規模アンケートと、100以上のエピソード分析を実施。その調査結果が発表されました。
今回はその内容をもとに、こども食堂の可能性や魅力についてたっぷりご紹介します!
こども食堂=「安心できる居場所」だった!
調査の中で特に印象的だったのが、こども食堂が子どもにとって“安心できる居場所”であること。参加回数が多い子どもほど、以下のような質問に対して肯定的に答える傾向がありました:
- ほっとしたり安心できる場所である
- 悩みを相談できる人がいる
- 困った時に助けてくれる人がいる
- 本音を話せる人がいる
エピソード分析でも、「みんなが集まれる場所」「帰ってこられる場所」としての機能が強調され、子どもだけでなく保護者や運営スタッフにとっても居場所となっていることが9割以上のエピソードに表れていました。
人とのつながりが、子どもを成長させる
また、アンケート調査からは、こども食堂への参加回数が多いほど、他者への信頼感や社会性が高くなるという傾向も判明。
「自分は誰とでも仲良くなれる」「他人もある程度信頼できる」と感じている子どもたちは、参加回数10回以上の子に多く、対人関係の力をこども食堂で育んでいる様子がうかがえました。
さらに、多様な人と関わることで悩みを相談できたり、新たな挑戦への一歩を踏み出す子どもも多く見られました。
エピソードが語る「こども食堂のリアルな変化」
2022年~2024年に24都道府県で実施されたワークショップから集められた119のエピソードと144の変化も分析。その結果、こども食堂では次のような変化が起こっていました:
- 「居場所」ができた(約90%)
- 人とのつながりが生まれた
- 支援する/されるの垣根を越えた関係性(約18%)
- 課題が解消・軽減された(約45%)
- 新しいチャレンジにつながった(約29%)
特筆すべきは、変化の主体が子どもだけでなく大人も同じ割合だったこと。こども食堂は、参加者だけでなく地域やスタッフにとっても“気づき”や“学び”の場になっているのです。
「誰も取りこぼさない社会」へ向けて
むすびえは、今回の調査を通じて「こども食堂を通じた社会変化」の可視化を進めています。制度化されていないにもかかわらず、全国に1万箇所以上もあるこども食堂。そこには、行政では支えきれない子どもや家庭、大人たちが日々寄り添いあっています。
そして今、「子どもが一人でも安心して来られる場所」としての意義が、より明確にデータで裏付けられたのです。
もっと知りたい方はこちらもチェック!
▼ 詳しい分析結果はこちらから
▼ こども食堂とは?
こども食堂が大事にしていること(むすびえ公式)
こども食堂は、「食べる」ことをきっかけに、つながりや安心を提供する大切な地域資源。ぜひあなたの地域のこども食堂にも、目を向けてみてください。